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2026/05/02

【保存版】「データが消えた…」をゼロにする。映像制作会社axis.の鉄壁バックアップ術

こんにちは。axis.の松下です。

今日は、映像制作においてカメラや照明と同じくらい、いえ、それ以上に大切な「データ管理」についてお話ししようと思います。

地味なテーマですが、これを怠ると、現場の熱量も、スタッフの努力も、そしてクライアントとの信頼も、一瞬で「無」に帰してしまいます。

僕は、あの「冷や汗」を一生忘れません

実は、僕も昔、大きな失敗をしたことがあります。 作業中にHDD(ハードディスク)が突然、認識しなくなったんです。

「カチッ…カチッ…」という、心臓に悪い不吉な異音。 何度つなぎ直しても、画面にドライブのアイコンは現れませんでした。

慌てて修理業者に駆け込みましたが、提示された修理代は驚くほど高額。
データ救助費用は一個のHDDあたり約25万円。涙が頬を伝ったような気がしました。笑
もちろん金額的な負担もそうですが、「データが戻らなかったらどうしよう」というあの時の絶望的な冷や汗は、今でも鮮明に覚えています。

そんな経験があるからこそ、今のaxis.では「絶対にデータを飛ばさない」ための仕組みを徹底しています。

「これ、消していいんだっけ?」という不安を仕組みで消す

撮影現場や事務所で、こんなふうに迷ったことはありませんか?

「このSDカード、もうバックアップ取ったっけ? フォーマットして大丈夫かな……?」

僕も以前は、このフローが曖昧で、新規の撮影のたびに「本当に大丈夫か?」と毎回ヒヤヒヤしながら操作していました。でも、この「迷い」こそが、大きなミスの原因になるんです。

そこで、axis.では現在、独自の「撮影後チェックリスト」を運用しています。
具体的な内容としては、撮影完了後に

  1. すべての撮影データを現場でポータブルSSDにバックアップ①
  2. アトリエ内のNASにプロジェクトデータと共に撮影データを格納②
  3. 別のNAS(データバックアップ用)にもバックアップを作成③
  4. 使用したSDカードをフォーマットOKのケースに入れておく。(使用時に再度確認の上フォーマット)

上記のフローを辿ると、納品完了までに最低でも3箇所に撮影データが保管されるようになります。
また、同じ記録媒体ではなく別々にしておくこともポイントです。
こうしておくと予期せぬトラブル(地震でNASが落下して壊れたなど)のリスクも分散する事ができます。

プロジェクト資料はMilanoteというアプリで管理しているので、その中にチェックリストを作成しています。
弊社では、SATAのSSDをケースに入れてポータブルSSDとしてバックアップ用に数枚用意しています。

納品完了後は、②のプロジェクトデータと撮影データを保管用のフォルダに写して完了です。
①と③に関してはなるべく長く保存するつもりではありますが、容量の問題があるので納品後に削除OKのフラグを立てて、大体納品後半年くらいで削除する事が多いです。

  • 何重にもチェックを重ねる 一人の記憶に頼るのではなく、リストに沿って「SSDへコーピー完了」「プロジェクトフォルダへ格納」「SDカード新規撮影用ケースへ」と、物理的にチェックを入れていきます。
  • 「迷い」を仕組みで消す リストがあることで、「まだ消してはいけないカード」と「次に使えるカード」が誰の目にも一目で分かります。精神衛生上、これが一番の効果かもしれません(笑)。

プロが「信頼」だけで選ぶ、現場の相棒たち

バックアップの仕組みと同じくらい大切なのが、機材選びです。 「安いから」という理由で選ぶのは、映像制作においては一番のリスク。

僕が数々の現場で実際に使い、一度もトラブルを経験したことがないブランドをご紹介します。

  • SDカード:Prograde(プログレード) / SanDisk(サンディスク) これまで一度もエラーがありません。特にProgradeは書き込みの安定感が抜群で、シネマカメラでの撮影には欠かせない相棒です。
    通販サイトなどで、無名のメーカーから安く出ているのもたくさんありますが、仕事で撮影をするのであれば有名メーカーのものを使っている方がいいと思います。
    やはり安心感などが違うと思います。
  • HDD:Seagate(シーゲイト) / WD(ウエスタンデジタル) 世界的なシェアを持つこの2社を、用途に合わせて使い分けています。「HDDはいつか壊れるもの」という前提で、常に複数箇所に撮影データはバックアップを取っておくことも大切です。

最後の砦、UPS(無停電電源装置)の導入

さらに、アクシズの編集デスクには「UPS(無停電電源装置)」を導入しています。

UPSを一言でいうと、「PCやNAS専用の予備バッテリー」のようなものです。 「バックアップを取っているから大丈夫」と思っていても、実は盲点なのが「保存作業中の停電」です。

落雷やブレーカー落ちで突然電源が落ちると、書き込み中のデータそのものがクラッシュしてしまう可能性があります。料理で言えば、お皿に盛り付ける直前でテーブルをひっくり返されるようなものです。

UPSがあれば、停電が起きても数分間は電力が供給され続けます。 その間に安全に保存してシャットダウンする「猶予」が生まれるわけです。

数万円の投資で、数百万、数千万の価値があるデータを守れるなら、これは決して高い買い物ではありません。

本体にコンセントと内蔵バッテリーがあり、停電時に電力を供給してくれます。

さらに一歩先へ。「機材の寿命」を可視化する

ここで、僕が実践している小さくて大きな工夫を一つ共有します。

それは、「SDカードやHDDに、購入日を直接書いておく」こと。

「いつ買ったか」が分かれば、経年劣化によるトラブルを未然に防げます。 カードを買い換える際も、古いものから順番に現役を引退させることができる。

アナログな方法ですが、この「日付」が、現場での致命的なミスを防ぐ最後の手がかりになったりするんです。

使用を開始した、年と月を書いて古くなってトラブルが発生した場合は引退or趣味用にするようにします。

最後に:バックアップは「未来の自分とクライアントへの保険」

映像制作は、その瞬間にしか撮れない「光」や「空気感」を切り取る仕事です。 だからこそ、その瞬間を収めたデータは、何物にも代えがたい資産。

「自分は大丈夫」と思わず、ぜひ今日からバックアップのルーティンを見直してみてください。

もし、「具体的にどんな機材を揃えればいいの?」「チェックリストの作り方を詳しく知りたい」といった悩みがあれば、いつでもaxis.にご相談ください。僕たちの苦い経験から生まれたノウハウが、皆さんの大切な作品を守る力になれば嬉しいです。

では、また!

Posted byMatsushita