本文までスキップする
2026/05/03

インタビューの質は「音」で決まる。映像制作会社が教える、空気感まで届ける収録術

こんにちは。axis.の松下です。

映像制作の世界では、よく「映像の5割は音である」と言われます。 どんなに高精細で美しい映像を撮っても、声が聞き取りにくかったり、ノイズが混じっていたりするだけで、視聴者の没入感は一気に削がれてしまうからです。

特にインタビュー動画において、声は「主役」です。 今回は、僕が現場で実践している「ブームマイクを中心とした、臨場感のある音作り」のコツをお話しします。

失敗から学んだ「音」の重み

今でこそ偉そうに語っていますが、僕も駆け出しの頃は大きな失敗を経験しました。

一番肝を冷やしたのは、「マイクをカメラのイヤホン端子に挿してしまい、音が一切録れていなかった」こと。撮影後に気づいた時のあの絶望感は、今でも忘れられません。
もちろん、バックアップの収録はしていたので大事には至りませんでしたが、、、、、汗

また、当時はエアコンや冷蔵庫の駆動音(ノイズ)にも無頓着でした。編集でどうにかしようと思っても、一度混じったノイズを消すと声の質感まで損なわれてしまいます。

こうした苦い経験から、axis.では「収録前の環境チェック」と「機材のダブルチェック」を何よりも徹底しています。

なぜ、あえて「ブームマイク」を使うのか?

ショットガンマイクの方がしっとりしている印象があります。

インタビューではピンマイク(ラベリアマイク)がよく使われますが、僕はブームマイク(ガンマイク)をメインに据えるのが好きです。

理由は、「空気感」と「臨場感」です。

  • 自然な質感: 喉元で拾うピンマイクに比べ、少し離れた位置から狙うブームマイクは、その場の空間が持つ雰囲気まで程よく含んだ、深みのある音を捉えられます。
    音の雰囲気もより自然で聞きやすい感覚があります。
  • 表情を邪魔しない: 演者の体に機材を付けないため、自然な表情や動きを引き出しやすくなります。

マイクを向ける際は、ただ口元を狙うだけでなく、狙う角度によって声の「太さ」が変わります。カメラのフレームぎりぎりまで近づけつつ、照明の影が映り込まない「ベストな一点」を探るのがポイントです。

ブームポールを画角外から吊るすアイテム。あると便利ですよ。

失敗を防ぐセッティング・ルーティン

現場での迷いをなくし、クオリティを担保するために、僕たちは以下の順番でセッティングを行います。

  1. 被写体とカメラの位置を確定する(ここが全ての基準)
  2. ライティングを決める
  3. マイクのセッティング

ここで便利なのが、事前の3Dシミュレーションです。現場に入る前にカメラ、ライト、マイクの位置関係をイメージしておくことで、当日「マイクポールの影が背景に入ってしまう」といったトラブルを未然に防げ、撮影開始までの時間を有効に使う事ができます。

事前に3Dシミュレーションをしておけば、現場でセッティングに悩むことも少なくなると思います。
今回はキーライト、バックライト、フィルサイドには黒いボードを置いて、影を強めに出してシックな印象のインタビューの雰囲気を作りました。
マイクはこのセットに干渉しない位置で設置すればOKです。

また、万が一のノイズや断線に備え、ピンマイクも併用して「バックアップ」として録っておくのがおすすめです。

最近のピンマイクは、ワイヤレスのもので高品質なものが多く販売されています。
有名メーカーどころのものを購入すれば、接続の安定性などで安心感が得られると思います。
(写真はRODE WIRELESS PRO)

ドキュメンタリーなどピンマイクを表に出したくないときの方法です。
専用ツールなども販売されていますが、ガムテープでも代用できます。大きく動き回るとノイズが入る可能性があるので、ケースバイケースで機材は選んでいければいいと思います。

収録前の「音のチェックリスト」

良い録音のために、撮影開始前には必ず以下のチェックを行います。

  • 環境ノイズの遮断: エアコンを切り、冷蔵庫などの電源を一時的に落とします。
  • 物理的な吸音: 部屋が響きすぎる場合は、画面外に布を置くなどして反響を抑えます。
  • モニターでの確認: スピーカーではなく、必ずヘッドフォンで「今の音」に異音がないか集中して聴きます。
しっかり準備をしてテストを行い収録漏れがないよう最新の注意を払います。
マイクはカメラの画角に入らないギリギリのラインを狙います。
被写体が前後に動いてもいいように若干斜め方向の角度を加えておくと、体が動いた際にも録音することができます。
マイクはMKE600を使用。
ショットガンマイクから、キャノンケーブルを繋いでレコーダーに収録をします。
32bit float方式のものは大音量でも音割れがないので、おすすめです。
写真はZOOM F3

最後に:技術は「届ける」ためにある

インタビュー撮影で「音をちゃんと捉える」ことは、話し手の想いや熱量をそのまま視聴者に届けることに他なりません。

僕も日々トライ&エラーの連続ですが、「昨日より少しでも良い音で、最高の表情を撮る」という姿勢だけは崩さないようにしています。

もし、自社のインタビュー動画の質を上げたい、プロがどうやって音を作っているのか詳しく知りたいという方がいれば、ぜひaxis.にご相談ください。僕たちの経験と技術で、あなたのメッセージを伝わる音で形にします。

では、また!

Posted byMatsushita