本文までスキップする
2026/06/18

【現場投入】DJI Ronin 4Dはなぜ映像制作の「常識」を変えたのか?ショートフィルムの現場で見えた真価

こんにちは!axis.の松下です。

映像制作の現場は、常に新しい機材との出会いと挑戦の連続です。 僕たちクリエイターは、よりドラマチックで、より美しい映像を求めて日々試行錯誤を続けています。

そんな中、ずーっと現場で実戦投入したくてウズウズしていた機材がありました。 それが、DJIのシネマカメラ 「Ronin 4D」 です。

縦軸の手ぶれ補正にも対応した革新的なカメラです。

先日、あるショートフィルムの撮影があったのですが、「ここしかない」という絶好のシーンがあったため、思い切って現場のメイン機として投入してきました。

一言で言うと、これまでの「カメラ+ジンバル」の常識がひっくり返るレベルで素晴らしいシステムでした。 今回は、実際の現場で実際に使ってみて感じたリアルな驚きと、導入する上での注意点を包み隠さずシェアします。

鬼門だった「自転車シーン」の縦揺れが消えた

今回のショートフィルムの中に、「主人公が自転車を漕いで疾走するシーン」がありました。 スピード感とエモーショナルな雰囲気を出すために、カメラも並走しながらダイナミックに捉えたいカットです。

実は、こういったシーンは従来のジンバル(手ブレ補正機材)だと、かなりの「鬼門」になります。

いくら優秀なジンバルを使っても、カメラマンが走りながら撮影すると、どうしても人間の歩行や走行による「縦軸(上下)の揺れ」が映像に乗ってしまいがちです。これを消すために、昔は膝をクッションのように曲げて、忍者のように歩く移動撮影の技術を必死に練習したものでした。

以前は縦揺れを抑えるためにアーム付きのベストを着用していましたが、これがまた重くて疲れるんです。

ところが、Ronin 4Dの 「4軸補正(アクティブZ軸)」 は異次元でした。

縦揺れを物理的なアームが完全に打ち消してくれるので、自転車と並走しながら撮っても、まるでレールの上を滑るドリー撮影(移動撮影)のような滑らかさ。 「あ、これこれ。これが撮りたかったんだ」と思わずモニターを見ながら、心の中でガッツポーズをしました。

機材の進化によって、一発でバシッと高品質なシネマティック映像が決まるのは、本当に気持ちが良いものです。

撮影した作品はこちら

https://axis-ov-films.co.jp/works/1138/

ジンバルセットアップの際にかかる時間の削減。ケースから出してすぐ撮影できる。

映像制作の現場で、地味に、かつ確実にコスト(時間)がかかるのが「機材のセッティング」です。

従来のジンバルだと、現場に入ってからカメラを載せて、前後のバランスを取って、左右を合わせて……と、数十分くらい持って行かれるのが普通でした。 演者さんやクライアントを目の前にして、「あれ? なぜかバランスが狂うな……」と焦ってしまった経験、映像関係者なら一度はあるのではないでしょうか。僕も昔は何度も冷や汗をかきました。

Ronin 4Dはそのストレスが一切ありません。

カメラとジンバルが完全に一体化しているため、現場でのセットアップがとにかく早いのです。 現場についてすぐに撮影体制に入れる機動力は、撮影全体のスケジュールにも、僕たちの「心の余裕」にも、計り知れないメリットを生んでくれます。

レンズをつけたままケースに収納できるので、再度ハンドルをつければ撮影が開始できます。

ワンオペでもチームでも。これ1台で変幻自在

もう一つ感動したのが、このカメラの「万能さ」です。

  • 内蔵のNDフィルター(眩しすぎる環境で光量を調整する機能)
  • トランスミッター(映像をワイヤレスで飛ばす送信機)

これらが最初から本体にギュッと内蔵できる設計になっています。

この構造のおかげで、ワンマンオペレーション(1人撮影)の時は、余計な周辺機器をゴテゴテ付けなくていいので軽快に動けます。 逆にスタッフがいるチーム体制の時は、ワイヤレスで映像を飛ばしてフォーカスプラー(ピントを合わせる専門スタッフ)を立てる撮影にも、対応してくれます。

特に LiDAR(ライダー)によるフォーカスアシスト が優秀で、ピントをカメラ任せにするAF(オートフォーカス)も、自分でコントロールするMF(マニュアルフォーカス)も、直感的に扱えて狙った位置を外しません。ワンオペ・チーム、どちらのスタイルにも柔軟に応えてくれる最高の相棒だなと感じました。

プロの目線:知っておきたい「運用のコツと懸念点」

大絶賛してきましたが、プロとして「ここは知っておいた方がいいな」というリアルな懸念点も共有しておきますね。

それは、「レンズ選び」です。

Ronin 4Dはその構造上、どんなレンズでも載せられるわけではありません。基本的には、軽量でコンパクトなレンズのほうが圧倒的に相性が良いです。

実は僕、DZOFilmのVespid Primeというシネマレンズを所有しているのですが、これをRonin 4Dに載せようとすると、若干バランスが悪いな……という印象を受けました。レンズ自体の描写力は良いのですが、ジンバルの特性を最大限活かすとなると、少しシビアになってしまうんですね。

もしこれから導入を検討する、あるいは現場でスムーズに運用するなら、やはりDJI純正のレンズを組み合わせるのが一番の近道だと思います。

純正レンズを使えば、手元のコントローラーから「パワーズーム(電動ズーム)」も使えるようになるので、表現の幅がグッと広がって、より現場での応用が効きやすくなりますよ。

最後に

Ronin 4Dのような最新テックの登場は、僕たちクリエイターにとって本当にワクワクする時代が来たなと実感させてくれます。

機材が進化して、高品質な映像が以前より簡単に撮れるようになったここ最近。
ディレクターやカメラマンは、機材のおかげでできた余白をより作品が良くなる方に頭のリソースを割けるようになったと感じています。

axis.としても、こういった最先端の機材を使用しながら、さらにワンランク上の、人の心に刺さる映像をお届けしていきたいと思っています。

機材の進化に負けないよう、僕自身の技術や、人間性もさらに磨いていきます!

それでは、また!

Posted byMatsushita