
こんにちは!axis.代表の松下です!
今回は前回のプリプロダクションの重要性と手順の続きを書いていきます。
前編では、目的・メッセージ・構成・ムードを固めて、
「何を作るか/どう見せるか」を設計しました。
後編は、その設計を 現場でちゃんと成立させて、編集まで繋げるための工程です。
ここが曖昧だと、当日バタついたり、素材が揃わなかったり、修正の繰り返しで大変になります。
Step7|場所・人・許可を押さえる
撮影が止まる原因の多くは、機材よりも「条件」です。
ロケ地や出演者が絡むと、特にここが複雑になってきて難しくなってきます。
大規模なプロダクションだと各セクションで仕事が割り振られていくのですが、
僕らのような小規模なチームは一人何役もこなしていく、楽しさと大変さがあります(汗
まずは撮影の前に、何がOKで何がNGかを整理します。
- 撮影許可(施設、店舗、敷地、公共空間)
- 映り込み(他のお客さん/通行人/社内資料/ホワイトボード)
- ロゴ・ポスター・商品名(権利や契約上の扱い)
- 音(店内BGM、館内放送、機械音、工場音)
- 撮影可能エリア(入っていい範囲、立ち入り禁止、電源の位置)
- 撮影可能時間(営業時間、搬入出、音出し可否)
ここは「撮影ができるか」だけじゃなく、編集で使える素材が撮れるかにも直結します。
たとえばBGMが入ってしまう場所なら、インタビューの収録方法(ピン+別録りなど)を先に決めておく必要があります。
Step8|スケジュール設計
スケジュールは単なる時間割ではなく、撮影を成功させる順番の設計です。
基本の考え方はシンプルで、
- 絶対に落とせないカットを最初に確保
- 不確定要素が強いものは前倒し(天候、混雑、光)
- 代替が効くカットは後ろへ(外観、ディテールなど)
- 予備時間を必ず入れる(これめちゃくちゃ重要です)
撮影はトラブルなどが付き物です。余裕のある時間配分がクオリティに直結します。
例:半日撮影(インタビュー+現場Bロール)
- 最初:インタビュー(空間が整っていて集中できる時間帯に)
- 次:現場が動いている時間帯のBロール(人の動きがある絵)
- 最後:外観/引き/ディテール(時間が押しても成立するカット)
- 予備:30分〜1時間(移動・トラブル・巻き戻し用)
撮影順を決めておくと、現場での判断が減ります。
判断が減ると、結果的にクオリティが安定します。

次は誰が、どの動きをするかなどわかっているとGOOD
Step9|機材・スタッフ設計
ここは「最高の画を撮る」より、
現場が止まらず、素材が成立する状態を作るのが目的です。
1)音声を最優先で設計する
映像は編集で若干のリカバリーが行えても、音声が取れていなかったら、どうにもなりません。
なのでプリプロでは、まず音から逆算します。
- インタビュー:ピンマイク+レコーダー(できれば二重化)
- 周囲がうるさい場所:ガンマイク併用、別場所収録の検討
- 風がある:ウィンドジャマー必須、風の逃げ場所を確認
2)必要機材は「過不足なく」決める
プリプロで作ったムード・ライティング設計に合わせて、
ライトの数や種類を決めます。ここで迷うと当日時間が溶けます。
3)役割分担を“言葉にして”決める
少人数でも、役割が曖昧だと現場が詰まります。
- 進行:時間管理、クライアント対応、次カット準備
- 撮影:画作り、レンズ選定、カメラ運用
- 音:レベル確認、ノイズ対策、収録管理
- 照明:キー/バック/背景調整、セッティング
ここまで決めておくと、当日の役割が見えてきて、時間のロスが減ります。

Step10|編集を見据えた準備(撮影後に困らない)
最後は「撮った後まで含めて設計する」工程です。
プリプロが強い現場は、ここがちゃんと整っています。
1)データの置き場を決める(フォルダ構成)
撮影後に素材が迷子になると、編集が止まります。データ紛失なんてしたら、、、、ゾッとしますよね。
まずは置き方を統一します。
例
01_Footage / Acam / Bcam02_Audio / Lav / Boom03_Graphics / Logo / LowerThird04_Project / Resolve99_Deliverables / v01 v02
この構成だけで、探す時間が激減します。
弊社では、ルールを明確化したフォルダを用意していて、そこに素材を入れ込んでいくだけで編集がスタートできるようになっています。
2)命名ルールを決める(人が増えるほど効く)
複数人でプロジェクトにあたる場合の迷わないためのルールです。
おすすめは、最低限この3つを入れることです。
- 日付(YYYYMMDD)
- 内容(Interview / Broll / Exterior など)
- カメラ/音(Acam/Bcam, Lav/Boom など)
例:20260226_Interview_CEO_Acam_00120260226_Broll_Workflow_Bcam_00320260226_Audio_Lav_CEO_001
※ここはあなたの現場の流儀に合わせて短くしてもOKです。大事なのは統一です。
3)バックアップ手順を決める
- 収録後すぐにSSDへコピー
- 可能なら二重化(別SSD)
小さなルールですが、これがあるだけで事故が減ります。
4)確認フローを先に決める
編集の手戻りは「内容が悪い」より「合意が曖昧」から起きます。
- 初稿:何を確認してもらうか(構成?テンポ?雰囲気?)
- 修正回数:何回までを想定するか
- 連絡手段:Frame.io、Google Drive、メールなど
- 最終決裁者:誰がOKを出すか
ここまで決めておくと、修正が “まともな修正” になります。
逆にクライアントと合意が取れていないと修正の度に当初目指していた内容とは離れていって、
編集作業で疲弊するという嫌な流れになります。
後編まとめ
後編は、前編で固めた設計を 現場と編集に接続する工程です。
そして結局ここでも大事なのは、
要素を増やすことより、メッセージを明確にして迷いを減らすことです。
そして、クライアントと会話を重ねてより良い映像を作る。その目的のために
プリプロダクションはあり、とても重要なものです。