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2026/05/27

【CONTAX】僕が愛用するCarl Zeiss(ヤシコン)オールドレンズ3本。現場で活きる使用例など

こんにちは!axis.代表の松下です。

仕事柄、色々な機材に触れるんですが、その中でもお気に入りのレンズ3本の事を書いていこうと思います。

今回ご紹介するのは、僕が 「映像の雰囲気を大事にしたいとき」や 「ワンオペで機材をできるだけコンパクトにまとめたいとき」に、 自然と選んでいる3本のレンズです。

1. 広角レンズ:CONTAX Carl Zeiss Distagon T* 28mm F2.8

まずは28mmの広角レンズ、Distagon(ディスタゴン)です。

少し引いた画角で、その場の空気感や、 空間の広がりをまるごと写し取りたいときに使うことが多いです。

このレンズの何が好きかって、 「シャープすぎず、それでいて情報量がちゃんと残るところ」

現代のレンズは本当に優秀で、隅々まで完璧に写りすぎるんですよね。 でも、映像においては「全部がパキッと写っていること」だけが正解ではない、と僕は思っています。

このDistagonは、逆光になると綺麗なフレアやゴーストが出ます。 その、狙いきれない「不確実性」こそが、映像に心地いい奥行きやノスタルジックな味を足してくれるんです。

「完璧にコントロールされた画」を作るのではなく、 その日の光や空気に、いい意味で身を委ねるような撮影が最高にマッチする一本です。

2. 標準レンズ:CONTAX Carl Zeiss Planar T* 50mm F1.4

50mmの標準レンズ、Planar(プラナー)は、僕の現場でいちばん出番が多いかもしれません。

寄りすぎず、引きすぎず。 人間の視野にいちばん近いと言われる画角だからこそ、 人や日常の一瞬を、本当に自然に切り取ることができます。

このレンズの面白いところは、絞り(F値)によって二つの顔を持つところ。

  • 開放(F1.4)付近: 溶けるような柔らかい描写
  • 少し絞ったとき: 中央がしっかり芯のある解像感になる

この「少し曖昧さのある解像感」が、今の僕のクリエイティブな感覚に、驚くほどちょうどいいんです。

綺麗すぎないからこそ、観る人の想像力が働くというか、 映像にいい感じの「余白」が生まれるような気がしています。

3. 中望遠レンズ:CONTAX Carl Zeiss Sonnar T* 85mm F2.8

最後は85mmの中望遠レンズ、Sonnar(ゾナー)です。 正直、使う場面を選ぶ尖ったレンズですが、ハマったときの雰囲気はやはり格別です。

カメラを構えて覗くと、背景がすっと整理されて、 被写体だけがドラマチックに浮かび上がるような画になります。

大口径の85mm F1.4と違って「F2.8」と少し控えめなスペックですが、そのぶん驚くほどコンパクト。 ボケ方も派手すぎず、どこか落ち着いた印象を与えてくれます。

人物を撮るときも、「お洒落に写してやるぞ」と意気込むのではなく、 「被写体と心地いい距離を保ちながら、静かに見守る」。 そんな優しい感覚で使えるレンズです。

オールドレンズを現場で使う理由

僕がこの3本を愛用している理由は、大きく3つあります。

  • パキパキに尖りすぎない、優しい描写
  • ハレーションやゴーストが、映像に「奥行き」を作ってくれる
  • 何より、機材が圧倒的にコンパクトになります。

完璧な解像度や、収差のない正確な描写を求めるなら、最新のシネマレンズを選ぶのが正解です。ただ、映像を通して「感情」や「その場の温度」を届けたいときには、こうした少し癖のあるレンズのほうが、僕的にはしっくりきます。

古いから良いのではなく、「レンズの個性が、今もちゃんと生きている」。 そこに惹かれているんだと思います。

【現場のハック】オールドレンズを「シネマ仕様」にカスタムする方法

「オールドレンズって、ワンオペの現場で使うにはフォーカス合わせが不便じゃない?」 と思われるかもしれませんが、少しの工夫で一気に化けます。

僕が現場に投入するときは、レンズにゴム製のフォーカスギアリング(シームレスギア)を装着しています。

これを巻くことで、フォローフォーカス等の機材ともしっかり噛み合うようになり、マニュアルフォーカス(MF)での運用を大前提とした、精密で滑らかなピン送りが可能になるんです。現代の電子制御されたレンズにはない、人間の手の感覚に直結するフォーカシングは、撮っていて本当に気持ちが良いものです。

さらに、全てのレンズの先端に「ステップアップリング」を付けて、径を「82mm」に統一しています。

こうすることで、マットボックスの取り付けや、可変NDフィルターなどのフィルターワークが、どのレンズに付け替えてもワンストップで、一瞬で完了するようになります。

完璧ではないオールドレンズだからこそ、自分の手で工夫して現場にフィットさせる。 このシステムをビルドするプロセスも含めて、楽しいと思います。

しかも、このヤシコン(ヤシカコンタックス)のシリーズは、オールドレンズの中でも比較的市場に状態が良い個体が多く、価格も手に入れやすいのが嬉しいポイント。 これから映像でオールドレンズを始めてみたい方にも、安心しておすすめできます。

おわりに

最新の機材がもたらしてくれる恩恵も、もちろん素晴らしいものです。

でも、こうしたオールドレンズをカメラに付けてファインダーを覗いていると、 「どうテクニカルに撮るか」よりも、 「今、目の前にあるものの何を感じて撮るか」に、自分の意識が自然と向いていく気がします。

  • 映像にノスタルジックな雰囲気や心地良い緩さを足したい方
  • ワンオペ撮影で、機材をできるだけ軽く、身軽にしたい方

ぜひ、防湿庫に眠っているかもしれないオールドレンズを引っ張り出すか、中古良品を探してみてください。

僕はきっと、これからも気づけばこの3本をバッグに詰めて、現場や街へ出かけていると思います。

では、また!

Posted byMatsushita