
映像の仕事をしていると、「撮影って楽しそうですね」と言っていただくことがよくあります。
もちろん現場は楽しいのですが、実はそこに辿りつくまでの“準備”こそ、僕らが一番大切にしている部分です。
今日は、普段クライアントワークの中で意識していることを、少し丁寧に書いてみようと思います。
1. まずは“聞くこと”から始まる
映像制作の成否の7割は、ヒアリングで決まると思っています。
「何をやりたいのか」
「どんな課題を解決したいのか」
「誰に届けたいのか」
「その先にどんな未来を描いているのか」
僕らが最初にすることは、クライアントの言葉をじっくり聞くことです。
実現したい方向性だけでなく、まだ言語化できていない思いまで、一緒に探っていく時間をとても大切にしています。
そして僕らの経験や知識が活かせる場面では、
クライアントが当初イメージしていた以上のものにできるように、できる限り提案も重ねます。
あなたのお話を聞きながら、
「だったら、こんな見せ方もできますよ」
「お客さまが受け取る印象は、こちらの方が強くなるかもしれません」
と、伴走するイメージです。

2. 一つの映像には“時間”をかけるべきだと思う
映像は、急ごしらえで良いものはできません。
構成・画作り・音・色・テンポ・空気感…
それぞれが丁寧に積み重なって、はじめて“伝わる”映像になります。
だから僕らは、
「早く・安く」ではなく、「丁寧に・向き合う」こと
を大切にして制作しています。
もちろんスピードが必要な案件もありますが、
その場合でも “丁寧さ” を手放すことはしません。
3. クライアントとそのサービスを“好きになる”姿勢
僕の中で仕事をお受けする時の、ひとつのルールがあります。
「好きになれないものは撮らない」
これは“偉そう”ではなく、
クライアントに不誠実になりたくないという理由です。
商品・サービス・企業の姿勢や哲学を知り、理解し、好きになってはじめて、
映像の中に“本当の温度”を込めることができると思っています。
裏を返せば、
しっかり共感し、理解し、尊敬できるクライアントだからこそ、僕らも全力で向き合える。
そんな関係を築けることを、いつもありがたく感じています。
4. 撮影前の準備は徹底的に:ムードボードから絵コンテまで
撮影当日は、実は“答え合わせ”のようなものです。
準備の段階で以下をしっかり固めます:
- 共有したリファレンスをもとにムードボードを作成
- 絵コンテ(ストーリーボード)で流れを視覚化
- BGMの方向性
- ライティングと画の質感
- カメラワークや画角の決定
この時点でクライアントとの認識を揃えておくことで、
撮影は驚くほどスムーズに進みます。

5. 撮影は “楽しく、でも丁寧に” がいちばん良い
準備は綿密に。本番は臨機応変に。
映像制作あるあるですが、
どれだけ準備しても現場では“予想外に良い瞬間”が生まれます。
その瞬間を逃さないために、
僕らは常に柔軟にカメラを構え、
計画を土台にしながらも、その場の判断でより良くなる方へ舵を切ります。
そして何より、
現場の空気が良い撮影は、良い映像になる。
これはもう、何度も経験してきた確信です。

6. 編集は“地味だけど、いちばん愛情を注ぐ工程”
編集では、次のような細かい作業を丁寧に積み重ねています:
- カットごとの取捨選択
- 色味の調整(カラーグレーディング)
- テロップやグラフィックの整理
- BGMと映像の呼吸を合わせる
- 小さなノイズの処理
- 表情のニュアンスの見極め
特に “色” は僕らの強みでもある部分なので、
世界観に合う質感になるまで妥協なく調整します。

7. 納品後のフォローも、僕らの仕事
「はい、納品したので終わりです」
とは思っていません。
むしろここからがコミュニケーションのスタートで、
- SNSでの使い方
- 次の企画への布石
- 運用面での相談
など、気軽に相談していただける関係でありたいと思っています。
おわりに
僕らが大切にしているのは、
“映像を作る” ことより前に、“人と向き合う” ことです。
丁寧に聞き、
時間をかけて理解し、
僕ら自身もそのサービスを好きになって、
一緒に悩み、一緒に考え、一緒につくる。
その先にあるのが、
クライアントと僕らの“共作”としての映像です。
これからも、そんな誠実なスタンスで
ひとつひとつのプロジェクトに向き合っていきたいと思います。
では、また!