
こんにちは!axis.代表の松下です。
『クリエイティブを仕事にするまで』シリーズの第三弾です。
今回から具体的な道のりを書いていこうと思います。
前回は、クリエイティブを仕事にしたいなら、まずは生活を安定させて、続けられる土台を作ることが大事だという話を書きました。
今回はそこからさらに一歩進んで、実際に動き始めるために最初に何を揃えるべきかについて書いていこうと思います。
ここからは、いよいよ少しずつ“仕事としてのスタート”に入っていく段階です。
ただ、最初に言っておきたいのは、最初から何でもかんでも揃える必要はないということです。
むしろ、最初はかなりミニマルでいいと僕は思っています。
最初に必要なのは、最低限の機材を揃えること
映像クリエイターになりたいのであれば、まず最低限の機材は必要です。
当たり前といえば当たり前なんですが、やっぱり作るための道具がないと始まりません。
ただ、ここで大事なのは、“全部揃えること”ではなくて、“最低限から始めること”です。
本当にミニマルに考えるなら、まず必要なのは
- カメラ本体
- 24-70mm F2.8通しのズームレンズ1本
- マイク
このくらいで、ある程度のことはできます。
もちろん、何を撮るかによって必要なものは変わります。
でも、少なくともイメージビデオのようなものや、小規模な撮影であれば、このくらいの構成でも十分スタートできます。
最初から照明も、ジンバルも、単焦点レンズも、上位機種のカメラも全部揃える必要はありません。
必要になったら買い足せばいいし、案件によってはレンタルという方法でも十分です。
最初の段階で一番大事なのは、スペックを揃えることではなくて、ちゃんと撮って、ちゃんと作品を作れる状態になることだと思っています。
自分の撮影したいもの、ジャンルが決まってきたら、おのずと必要な機材は見えてくるはずです。

新品じゃなくていい。むしろ中古でいい理由
ここはかなりはっきり言いたいんですが、最初の機材は新品じゃなくていいです。
むしろ、中古で十分だと思っています。
もちろん新品には気持ちよさもあるし、安心感もあります。
でも、最初の段階でコストパフォーマンスを考えるなら、中古の方が圧倒的に現実的です。
理由のひとつは、単純に新品がいちばん高い状態だからです。
それに対して中古は、価格が落ち着いていて、ちゃんとした中古ショップや信頼できる販売サイトで探せば、かなり状態のいいものが普通にあります。
カメラ機材って、中古だから全部ボロボロというわけではなくて、丁寧に使われてきた個体も多いです。

でも、それ以上に大事なのは、映像の仕事をしていくと、必ず機材を買い換えるタイミングが来るということです。
これはかなり自然なことだと思っています。
最初は自分がどんな仕事をしていくのかも、どんな撮り方が合っているのかも、まだはっきりしていないことが多いです。
でも、実際に案件を重ねたり、自分のやりたいことが明確になってきたりすると、必要な機材は少しずつ変わっていきます。
もっと軽い機材の方が向いているかもしれないし、もっと寄れるレンズが必要になるかもしれない。
音声周りを良くしたくなることもあるし、写真より映像寄りの機材が必要になることもある。
逆に、もっと写真にも強いものが欲しくなることだってあります。
だから、最初に買ったものをずっと使い続ける前提で考えない方がいいと思っています。
機材は固定された正解ではなくて、その時の自分に必要なものへと、少しずつ入れ替わっていくものです。
そう考えると、最初から高い新品を買うよりも、買って、使って、必要に応じて売って、また次を買うくらいの感覚でいた方が、ずっと健全です。
新品で買って中古で売るよりも、中古で買って中古で売る方が、実際に使った期間のコストはかなり抑えやすい。
買った金額と売った金額の差額で実質の使用コストを考えるなら、この考え方はかなり大きいです。
だから最初に機材を揃えるときは、ただ「何を買うか」だけじゃなくて、中古相場をちゃんと見ておくこと、そして将来買い換える前提で考えておくことが大事だと思っています。
最初の機材は、最終装備じゃなくて大丈夫です。
今の自分に必要なものをなるべく軽やかに持つ。
そのくらいの考え方の方が、結果的には動きやすいと思っています。
僕が最初に揃えた機材
僕自身が最初に揃えたカメラは、当時のLUMIX GH5でした。
GH5はマイクロフォーサーズ機なので、フルサイズとは少し感覚が違いますが、当時の自分にとってはすごく現実的で、ちゃんと仕事にもつなげていける選択肢でした。今でも十分使えると思います。
そこに、いわゆる24-70mm F2.8通しにあたるズームレンズを1本。
60wのライトとソフトボックス、三脚、そしてマイク。
たしかRODEのワイヤレスマイクと、ピンマイクをいくつか買った記憶があります。
今振り返っても、本当にそのくらいでした。
PCと撮影機材などで、貯金の100万円くらいは一瞬でなくなりました。。。笑


でも、小規模で始めるなら、そのくらいで十分だと思っています。(安くはないのですが、、)
むしろ最初からたくさん揃えすぎるより、その限られた機材でどこまで撮れるかを考える方が、結果的には力がつくことも多いです。
最初の段階では、「何を持っているか」より「持っているもので何が作れるか」の方が大事です。
仕事の入口は、最初は人づてがほとんどだと思う
機材を揃えたあと、次に必要なのは、仕事の入口を作ることです。
そこで僕は、ホームページやロゴより先に、まず名刺が必要だと思っています。
これはなぜかというと、最初の仕事って、たぶんWebやSNSからいきなり入ってくることはほとんどないからです。
もちろん、何年も前からSNSで発信していて、すでに見てもらえる土台がある人は別です。
でも、異業種から始めたり、趣味の延長でこれから仕事にしていきたいと思っている人にとって、最初からWeb集客やSNS集客を成立させるのはかなり難しいと思います。
正直、いきなりはなかなかできません。
だから最初は、知り合いからの紹介だったり、知り合いのやっていることを撮らせてもらったり、誰かのつながりの中で「こういうことやってるなら一回お願いしてみようか」と声をかけてもらう形が多くなると思います。
その時に必要なのが、名刺です。
名刺は、最初の仕事道具

名刺って、ただの紙ではないと思っています。
自分が何者で、何ができるのかを、相手に渡せる最初の仕事道具です。
名前があって、連絡先があって、肩書きが書いてある。
それだけで、ひとつ入口になります。
フォトグラファーなのか。
映像カメラマンなのか。
ディレクターなのか。
デザイナーなのか。
自分がどんな仕事をしていて、何ができる人なのか。
それを相手に渡せる形にしておくことは、最初の段階ではかなり大事です。
ロゴが完璧じゃなくてもいいし、ブランドの世界観が固まっていなくてもいい。
でも、自分の名前と肩書きと連絡先があって、「こういうことをやっています」と伝えられるものは必要です。
僕は、最初の段階ではホームページよりも先に、名刺を作る方が大事だと思っています。
名刺は、チャンスを取りこぼさないためにも必要だった
名刺が大事だと思う理由は、単に「ちゃんとして見えるから」ではありません。
実際に仕事につながる可能性があるからです。
僕がこの仕事を始めた頃は、ちょうどコロナ禍の真っ只中でした。
その頃はUber Eatsのようなフードサービス向けの撮影案件がかなり多くて、インターネット上の募集やプラットフォーム経由で応募して、「この現場に行ってください」という形で撮影に行く仕事をしていました。
正直、その仕事自体は最低限の収入でしかなかったし、何か特別なスキルが大きく身につくような仕事かというと、必ずしもそうではなかったと思います。
でも、僕にとってはすごく意味のある時間でもありました。
というのも、そういう現場でも、ちゃんと名刺を持っていって、最初の挨拶でしっかり渡すようにしていたからです。
「今日は撮らせてもらいます。よろしくお願いします」
そうやって礼儀正しく接して、きちんと自分が何者なのかを伝える。
たったそれだけのことなんですが、これが意外と大事でした。
100件行ったら100件全部が仕事につながるわけではもちろんありません。
でも、100件行ったら、そのうち1件、2件、3件くらいは、あとから連絡をくれたり、別の仕事につながる可能性が出てきたりする。
実際にそういうことがありました。
だから最初の名刺って、単に情報を書いた紙ではなくて、その場で生まれた小さな縁を、次につなげるための道具なんだと思います。
最初の頃の仕事は、ひとつひとつが大きく見えないこともあります。
単価も高くないし、特別に華やかでもない。
でも、その場できちんと名乗って、相手に印象を残しておくことで、後から思わぬ形でつながることがあります。
そういうチャンスを取りこぼさないためにも、やっぱり名刺は必要だと思っています。
最初の作例は、知り合いのレストランを撮らせてもらったところから始まった
機材を揃えたあと、次に必要なのは、実際に作品を作ることです。
ここで大事なのは、最初から大きな仕事を待つことではなくて、まず撮らせてもらうことだと思っています。
僕自身、最初の作例は、知り合いのレストランの動画を作らせてもらったところから始まりました。
その時は、お金をもらって始めたわけではありません。
まずは作らせてもらう。
どういうふうに撮って、どういうふうに作っていけばいいのか。
仕事として映像を成立させるには、何を考えればいいのか。
それを自分の中で掴むために、撮らせてもらったという感覚でした。
最初は、うまく撮ること以上に、
「相手のことをどう見せるか」
「何を伝える動画にするのか」
「どうやって一本にまとめるのか」
そういうことを考えながら作る経験そのものがすごく大事だったと思っています。
そうやって何件か撮らせてもらって、少しずつ作例が増えていった。
そして、その作例を見せながら、次の仕事につなげていった。
僕の場合は、そんな流れでした。
だから最初の仕事って、いきなり大きく取るというより、まずは身近なところから始めるのが現実的だと思っています。
知り合いのお店でもいいし、知り合いがやっている活動でもいい。
とにかく、まず一本作る。
そこから少しずつ見せて、広げていく。
その流れがすごく大事です。

最初の仕事は、正直ガッツで作っていくしかない
ここはかなり現実的な話なんですが、最初の仕事って、待っていてもなかなか来ません。
だから最初は、もうガッツでやっていくしかないと思っています。
「撮らせてください」
「一本作らせてください」
そうやって、自分から動いていくしかない。
最初のうちは、お金を度外視してでも、まずは作例と実績を作る時期が必要だと思っています。
もちろん、ずっと無償でやるのは違うと思います。
でも、最初の立ち上がりの数ヶ月は、ある程度そこに時間を投下してでも、まずは形にすることが大事です。
3ヶ月でもいいし、半年でもいい。
期間を自分で決めて、その間はしっかり撮りまくる。
作りまくる。
スキルを磨きながら、作例と実績を増やしていく。
この時期は、たぶんすごく大事です。
最初からうまく仕事になる人は多くないと思います。
でも、ここでちゃんと動いた人は、少しずつ次につながるものが見えてくるはずです。
作例期間を作るためにも、前回の「生活基盤」が大事になる
ここは前回の話ともつながってくるんですが、こういう最初の作例づくりの期間が必要だからこそ、やっぱり映像以外での収入を確保しておくことは大事だと思っています。
最初のうちは、どうしても「作例を作る期間」「経験を積む期間」が必要になります。
もちろん、貯金を切り崩しながらやるという方法もあると思います。
でも、僕はできれば、映像以外のところでも最低限の収入源を持っておいた方がいいと思っています。
なぜかというと、作例づくりって、すぐにお金にならないことが多いからです。
最初は無償だったり、かなり低い金額だったり、まずは経験と実績を作るための時間になることが多い。
その時に、生活そのものが不安定だと、焦りが強くなります。
焦ると、必要以上に安く受けてしまったり、無理な仕事を抱えたり、ちゃんと積み上げる前に消耗してしまうこともある。
だからこそ、前回書いた「まずは生活が回る状態を作る」という話が、ここで効いてきます。
映像以外で最低限の収入がある。
生活がなんとか回る。
その状態があるからこそ、最初の数ヶ月や半年を、作例づくりの時間としてちゃんと使うことができる。
これはかなり大きいです。
最初のステップでは、
生活を守ることと、作例を作ること。
この2つを両立させることがすごく大事なんだと思っています。
最初は、作れることと名乗れることがあればいい
ここまでをまとめると、最初に必要なのは、たくさんの準備ではありません。
ひとつは、作るための最低限の機材。
しかも、それは新品である必要はなくて、中古で十分です。
もうひとつは、自分を仕事として名乗るための名刺。
最初はこれくらいでいいと思っています。
立派なロゴも、大量の機材も、最初はなくて大丈夫です。
まずは撮れること。
名乗れること。
その2つがあれば、仕事への入口はちゃんと作れます。
最初に必要なのは、完璧な準備ではなく、動き出せる状態を作ることなんだと思います。