イージングとは?アニメーションに命を吹き込む基本テクニック

こんにちは。モーションデザイナーの中山です。
前回の記事で少し触れた「イージング」について、
今回はもう少し詳しくご紹介していこうと思います。
イージングを理解すると、アニメーションの動きに“表情”が生まれ、
自分のイメージに合った自然な動きを作り出すことができるようになります。
アニメーションを制作するうえで、とても重要な要素のひとつです。
少しでも参考になれば嬉しいです。
イージングとは?
簡単に言うと、アニメーションの動きに「緩急(スピードの変化)」をつけることです。
たとえば物体が動くとき、
いきなりスッと一定の速さで動くのではなく、
「ゆっくり動き始め → 加速して → またゆっくり止まる」
といった、現実に近い動きを再現することをイージングと呼びます。
この“自然なスピードの変化”があることで、
映像全体の印象はぐっと豊かに、そしてリアルに感じられます。
イージングをかけた場合とかけない場合
下の例では、同じアニメーションにイージングを
「かけた場合」と「かけなかった場合」を比較しています。
イージングなしの動きは、どこか機械的で硬い印象。
一方、イージングを加えると、動きに“息づかい”のような柔らかさが生まれます。
この違いこそが、アニメーションを魅力的に見せる大きなポイントです。
同じ2秒の動画でもこのように印象が変わります。
イージングの種類
After Effectsでよく使われるイージングは、主に以下の6種類です。

リニア(Linear):一定の速さで動く(緩急なし)
イージーイーズ(Easy Ease):ゆっくり始まり、途中で速くなって、最後にゆっくり止まる
イーズイン(Ease In):動き始めがゆっくりで、徐々に加速する
イーズアウト(Ease Out):動き出しが速く、徐々に減速する
自動ベジェ(Auto Bezier):キーフレーム間を自然にスムーズに変化させる
固定(Hold):キーフレーム間を動かさず、次のキーフレームまで同じ状態を保つ
これらを使い分けることで、
動きの「テンポ」や「感情」を自在にコントロールできるようになります。
6種類のイージングを比べてみる
同じ3秒間、同じ位置から同じ終点まで動かすアニメーションでも、
イージングの種類を変えるだけで印象は大きく変わります。
それぞれの動きを見比べてみると、
たった数フレームの違いで「滑らかさ」や「重さ」「軽やかさ」などが変化しているのが分かります。
こうした違いを上手く使いこなせるようになると、
実写の動きに近づいたり、キャラクターに“命が吹き込まれたような”自然な動きを作ることができます。
この“微調整”こそが、アニメーションの面白さであり、奥深さです。
さいごに
After Effectsを使ううえで、イージングは避けて通れない重要なポイントです。
私自身、納得のいく動きを見つけるまで、
一日中イージーイーズのカーブを調整していたこともあります。
それだけ繊細で根気のいる作業ですが、
だからこそ、動きがピタッと決まった瞬間の気持ちよさや達成感は格別です。
ぜひ、自分の感覚を信じながら、
「心地いい」と思える動きを探してみてください。
その積み重ねが、あなたのアニメーションをより魅力的にしてくれます。